2020.09.21最近の出来事をちょっと小説風に。
2020.09.21最近の出来事をちょっと小説風に。
これは、実際にあった出来事である。
仕事から帰って、夕食を済ませのんびり過ごしていた日のこと。
ちょっと甘い物が食べたいと思い、夜21時頃にコンビニへ向かうことにした。
靴を履いて玄関のドアを開けようとした時
“ドンドン、ドンドン”
とドアを叩く音がした。
インターフォンがあるのに、ドアを叩くことに違和感を覚えたが、いきなりドアを開けることは危険であると判断し、覗き窓から外を覗いてみる。
―誰もいない。
しかし、ドンドンとドアを叩く音は鳴りやまない。
私は怖くなり、2階でくつろいでいる主人に助けを求めた。
「あぁ、それね。」
まるでよくあることであるかのように、主人は冷静で表情も変わらない。
気にしなくて大丈夫、とだけ言い放ち、怖がる私を気に留めないので思い切ってドアを開けてみることにした。
ガチャッ
そこには誰もいない。私に見えないなにかでもいるのだろうか。そんなモヤモヤを抱えながらコンビニに出かけた。
それから数日後のある日、主人と買い物に行こうとして玄関に行くと、同じように“ドンドン、ドンドン”とドアを叩く音が。
主人はのぞき穴を確認することなくドアを勢いよく開けた。
そこにいたのは可愛い猫であった。
なぁんだ、猫かと言いたいところだが、猫がドアをドンドンと叩く行為は普通なのだろうか? ましてやコレが初めてのことではないので私は不思議でならなかった。
すると、主人が
「いつも、ウチにくる猫だよ」
とまるでこれは日常であるかのように話すのだ。
いやいや、毎回同じ猫がウチのドアを叩くのは日常ではないし、普通ではないように私は思う。
買い物に向かいながら、主人に聞いてみると
「あの猫は、俺が仕事帰りによく遭遇する猫で、たまに餌をあげるから、それをもらいにウチまで来ているだけじゃない?」
と言うのだが、私は色々と考え込んでしまった。
猫の餌を、そんな偶然に持っていることがある?
たとえそれで懐いたとしても家まで猫に特定されるもの?
そして、猫がドアを叩く?
私が納得していない表情をしていたのに気づき、主人が徐に自分のカバンの中を見せてくれた。そこには、猫の餌が入っている。
ちなみに、我が家は猫はもちろん、動物を飼っていない。
主人の口が開いた。
「猫によく会うから、かばんの中に餌を入れておいて、いつでもあげられるようにしているんだ。」
そして、主人が言うには、いつもドアを叩いているのは同じ猫で、結構な頻度で来ているらしい。
餌をもらうために家を突き止め、ドアを叩く猫の執念もすごいことだが、それを受け入れている主人もすごいと思うしかなかった。
私の中でのモヤモヤはまだ完璧に晴れたわけではないが、一旦納得するしかないだろう。
私はどちらかというと、霊感がある方だが最近、頻繁に鳥肌が立つのは何故なのだろうか。
もう夏も終わり、秋の風がひんやりしている。きっとこの肌寒い風のせいだと思いたい。
(Y)
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