最近、お風呂の湯に浸かっている時は音楽を聴くようにしている。
以前は仕事が終わり、家に帰ってから寝るまでの間は『YouTube』に上がっている動画をひたすら観るのを日課にしていたのだが、先日、友人と食事に行った際に言われた一言が私の心の中に突き刺さった。
とある休日の友人との食事中、何気ない会話の中で、最近流行っている音楽でお気に入りの曲を友人が教えてくれた。私も聞かれたため、こう答えた。
「最近は、『Lemon』かなぁ…。」
すると友人は笑いながら
「ねぇ、それ何年前よ?」
と言う。Lemonというのはもちろん米津玄師さんの大ヒット曲のことだが、TVドラマのアンナチュラルの主題歌でもある。確かに、そのドラマが放映されたのは2018年だが、動画配信サービスで最近一気見した私にとっては紛れもなく「最新の曲」なのだ。
加えて、先日会社の上司にお借りした米津玄師のCDアルバムにも入っていた曲だし、少なくとも世間的に古い曲ではないはずだ。
ちなみに、友人がお気に入りとする最近の曲はOfficial髭男dismの『Laughter』。髭男の曲と言えば『I LOVE...』しか私は知らない。
Laughterは2020年発売の曲だがI LOVE...は
………よかった2020年だ。
ただ私の場合は、このI LOVE...を知ったのも私が好きなドラマの主題歌だったためで、髭男が好きだからとか、最新の曲をチェックしていたからではない。
思い返せば、米津玄師のアルバムCDが発売したのも発売前に会社の上司が話していたから知ったことで、私の興味で得た情報ではない。
学生の頃は、好きなアーティストのシングルCDの発売日をチェックしていたし、歌番組も欠かさず見ていた。時には、東京都や神奈川県までライブにまで行っていたのに、いつからこんなに音楽に興味をなくしてしまったのか。
普段の私は、冒頭でも話したように、暇さえあればYouTubeを見ている。別にこれが悪いことだとは思わないが、テレビ番組もほとんど見なくなり、最新のニュースもネットで知ることが多い。果たしてこのままで良いのだろうか?
そこで、家についてから最新ヒットチャートを調べてみることにした。
シングルランキング(シングル)TOP10で私が知っていたのは2曲。一つはアニメの主題歌でもう一つは、YouTubeに上げた動画が有名になり紅白出場も決まった曲。
あとの8曲はアーティスト名さえ、初めましての方が多く、恥ずかしながら読み方さえもわからない人もいた。
―このままではダメだ。
いや、ダメな訳ではないけれど、私の直感がそう言っている。
そう思って、毎日のお風呂の時間は「最新の曲を聴く時間」とした。
YouTubeで「最新ヒット曲メドレー」と検索して、曲を流しながら湯船で足のマッサージをしている。気に入った曲は、一度メドレーを止め、検索し直して一曲通して聞いてみる。
私はドラマでも映画でも気に入ったものは何度も観る性格なので、音楽も気に入った曲はリピートして聞いてしまう。
そんなある日、いつも通り最近のお気に入りの曲を流しながら湯船につかっていると、脱衣所にきた主人が大きな声でこう言ってきた。
「なんで、そんな古い曲を聴いているの?」
私の中で「最新」という敵は、どんなゲームのラスボスより強いらしい。
(Y)
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